中長期経営計画を作成するにあたり
理事長 児玉 泰州
鐵工会の進む方向性を明示することは非常に大切です。
以前に策定した経営ビジョンも含め目指すべき方向性を示す際に、どのように実現させていくかのプロセスを具体的にしていくことが重要であり、それを今回、中長期経営計画として作成いたしました。
当組合は、協同組合組織として、連携やネットワークが大切であり、その中でも組合の特色である相互扶助の精神を前面に打ち出したいと思います。併せて、デリバリーなど市場の競争に打ち勝っていく必要もあります。この2つを両立していくことで、両方の側面をもった温かみのある組合にしていきたいと思います。
また、この計画を推進する中で、創立85周年にはものづくりフェアを再度実施したいと思います。
この中長期経営計画では、今後10年の計画を示しており、この計画を推進することで、組合員企業には生き残りを図り、そしてより活性化していってほしいと願っています。
目次
1. 組合概要
- ■ 理念、経営ビジョン、経営方針
- ■ 事業環境整理
- ■ 長期ビジョン2030島根県鉄工会が目指すもの
- ■ 長期ビジョンと中経の位置づけ
2. 中期経営計画(2021-2023)
- ■ 中期経営計画サマリー
- ■ 重点取組
- ■ 経営目標
- ■ 組織体制
- ■ 参考
1. 組合概要
理念、経営ビジョン、経営方針
事業環境整理
新型コロナウイル感染拡大、米中貿易摩擦による世界規模の急激な景気減速
鉄鋼流通業者の合従連衡が急速に進み、地域商社の競争力が相対的に低下慢性的な人材難、事業規模の縮小・廃業が顕著化(組合員企業も同様)
競合の多くは、ターゲットの絞り集中戦略をとり効率化を図っている国内大手製造業のグローバル調達化により、組合員企業の受注力低下
2030の想定される事業環境
国内(県内)労働人口減少
働き方改革の先の仕事観の変化(定年、性別、労働時間、働く場所…)
情報通信技術のさらなる進化(6G、ロボット、AIによる代替、ドローン配送…)
持続可能な世界に向けた意識の高まりと取組加速(標準化)
IoT、ロボット、AI、DXなどの活用によるスマートファクトリー化が進展アディティブマニュファクチャリング(積層等の付加製造方法)の台頭オンライン、リモートによるサービス提供顧客獲得活動東南アジアなどの新興国が台頭
県内ものづくり企業の漸減が続く競合企業各社の集中戦略が進み、棲み分けが更にクリアになる
長期ビジョン2030島根県鐵工会が目指すもの
鉄工業のものづくり総合支援拠点となり、
組合員の経済的発展に寄与する
長期ビジョンと中経(2021-2023)の位置づけ
2. 中期経営計画
第一期(2021-2023)サマリー
第1期中期経営計画テーマ
鐵工会の商社機能と相互扶助組織の
両立化に向けた事業変革を推進
変化に常に挑戦する中核人材の育成と 全体最適を実現する風土改革
提案型サービスの提供を軸とした事業 分類の最適化
サービス品質向上と業務効率化の両面 からIT化推進
重点取組
重点取組1 共同購販事業の拡充
3年後までのアクションプラン
- ❶「営業体制見直しと情報共有の工夫」
- ・営業部組織体制の見直し、所掌範囲を広げダイナミックな営業活動を行う
・情報収集、情報共有を組織として行う仕組みづくりを進める
・共同受注へ向かう体制づくり
- ❷人材育成
- ・取引先との関係構築や交渉ノウハウの伝承により仕入れ力を高め、安定供給に努める
・組合員(顧客)や仕入れ先と密なコミュニケーションを図り、買い手のニーズに寄り添った提案型営業が出来る人材を育成する。
・配送の充実を図る(管理部の人員の育成、2021年本部倉庫を内陸倉庫へ集約)
- ❸業務のIT見える化
- ・業務体制を見直し、スムーズな受発注システムを構築する
・各事業部の管理指標に合わせた詳細データ
重点取組2 組合員企業に対する各種支援の強化
3年後までのアクションプラン
- ❶専門部署の設立(人員増員、人材育成)
- ・組合員サービス事業の専任担当者を配置
・行政、商工団体、金融機関との連携強化し、適切なメニューをコーディネート
・組合員企業からの意見抽出とスピーディなサービス企画・実行
- ❷メカニカルアフターサポートの充実
- ・体制拡充し、県下全域をカバー
・組合員へのサービス認知度向上と活用促進
・県内修理業者(組合員)とのネットワークにより幅広いアフターサービスを展開
- ❸島根県の「鉄に関する文化」に事業運営を通じて貢献
- ・島根ものづくりフェア2023(仮称)の開催し、組合員企業の経済活動を促進
・島根の「鉄に関する文化」を県内外に強力にPR
・社屋移転(2023年予定)を契機に、鉄文化の発信拠点としても活用
重点取組3財務基盤の一層の安定化
3年後までのアクションプラン
- ❶月次予実管理のPDCAサイクル徹底
- ・月例経営会議を中心に据えた予定と実績のPDCAを廻す
・収益(売上-経費)ベースで計画経営を実施する体制を構築する
- ❷重点科目を設定しコスト管理を徹底
- ・コスト管理を行う科目を設定し、部門にも計画を共有したうえでメリハリのある支出を実施
・コスト管理により得た成果を元手としたサービスの充実
・各部門の管理指標の活用
- ❸組合資源の有効活用
- ・ヒト、モノ、カネの最適活用の検討(収益増加への取組)
経営目標(2023年度)
市場規模縮小、全国的な統廃合が見込まれる中で3年後105億円水準を堅持
組織体制 2021年1月
組合はSDGsにも取り組みます!
SDGS具体的な取り組み
- ❶ 推進チームの立ち上げ
- ❷ SDGSが何であるか学習、社内セミナー開催、職員へ周知
- ❸ 組合の重点取り組み
- 職員の各種資格取得の推進
④質の高い教育をみんなに
- 就業環境整備し、働きがいのある職場を作り、企業としても成長する
⑧働きがいも経済成長も
- 業務のIT化を促進し、ペーパーレスに努める
⑮陸の豊かさも守ろう
など・・・取り組んでいきます!